東欧の小国・クロドヴァの内戦が開始して2年。
両者の攻防は一進一退を繰り返し停滞。国内情勢は悪化の一途を辿る。
盛んに情報交換するアレイヘムの兵隊たちの間では、一つの噂が流れていた。
「軍上層部が民間軍事会社R.T.Sと契約したらしい」
そんな中デザートミラージュ基地内で、また一つ新たな小隊が傭兵の小隊が結成される。
公王親衛隊直轄第二義勇師団所属第55スペリオル小隊。
このろくでもない戦場で生まれて育った、ろくでなし達の流刑地だ。
小隊は泥沼の塹壕陣地防衛から決死の基地破壊任務へ。
帰る場所は無く、ただ命令を遂行し続ける。
戦史の片隅に兵隊たちの物語を紡ぐためだけに。
熱砂の地獄で、陽気に挽歌を歌おう。
何も救われなくとも、憎たらしく笑って、ふてぶてしく旗を振れ。
東欧の小国・クロドヴァの内戦が開始して2年。
両者の攻防は一進一退を繰り返し停滞。国内情勢は悪化の一途を辿る。
カグルグラード基地の破壊作戦以降も当然それは変わることはなく。
人々の嘆きは、今日も砂漠に乾いた歌となって響く。
そんな日々の中、貴方達はとある武装集団に関する噂話を聞く。
まるで陽炎のように突如現れ、そして痕跡もなく姿を消すはぐれ者達の集まりを、
傭兵たちは自分達の呼び名に準え、皮肉交じりにこう呼んだ。──「トゥルー・ミラージュ」、と。
偶発的に巻き込まれ、彼等の拠点に連れ去られた二人と、
二人の奪還のために動き出した他小隊員達。
奇妙な作戦はやがて、クロドヴァ全土を破滅へ巻き込む事態へと発展していく。
「──壊すんだ。この、くだらない盤面を」