「……で?」「言いたい事はソレだけか?」
白に近い淡い藤色の髪・白い肌に紅い瞳、それなりに整った顔をしている。左頬~肩・腕・背中にかけて、とあるノインテーターから受けた火傷痕が広範囲に残っている。
毒舌家で利己主義者、過程がどうであろうと最終的に結果を出せば万事OKいう思考。高圧的で他者と円滑な関係を築こうという意思が一切感じられない。
先天的に自身の感情を制御する事が難しく、一度激昂すると手が付けられなくなる狂犬。甘い菓子類を好み、大体の機嫌は菓子を食べて一夜寝たら直る。
兵士として問題点が多いものの、任務や命令には従順(一部例外も見られるが)で勤務態度も真面目。正規軍時代では上官だった実兄の下に就き、任務達成率も非常に高くその点は評価されていた。
“二枚舌”“風見鶏”“ハイエナ野郎”“金の亡者”……といった悪い噂が付きまとう傭兵。その中でもひと際不穏な噂が“上官(兄)殺し”。
あなたはベテランのスペリオル兵だ。
以前の部隊では上官に嫌われて隊を追い出され、再編成を待っている。
どうやら基地内では最近のあなたについて良くない噂が流れているようだ。
“金に汚い” “報奨金の多い作戦に参加するために異動を繰り返している” “金の亡者”
確かに、上官と揉めた原因は部隊の経理に纏わることだった──軍需品の横流しの形跡を発見してしまい、報告しただけなのだが。
恐らく噂の元は上官とその取り巻きによるものだろうが、今更汚名が一つ増えたところでいちいち気にしてはいられない。
それより、戦務局の話では次に編入されるのは新設のスペリオル小隊であるそうだ。
本日その小隊の曹長相当官が直接こちらに出向いて召集に来るらしい。
指定された酒場で安酒を煽りながらあなたはその時を待った。
貴方はアレイヘムへの帰還後、出頭までの間待機するよう指示を受けた。
……が、出頭時間までに基地に戻れば問題ないと判断した。
それを見咎め、後をついて来たミアを無視しつつ、貴方は手早く自分の用事を済ませる。
あとは素直に基地に戻ろうと、人通りの少ない近道を歩いていたところで、貴方は二人の男と遭遇した。
なにやら言い争っていた彼らは、何か重要な情報を盗み聞かれたことを疑い貴方へ敵意を向ける。
軽くあしらおうとした貴方は、しかし何故か自身のレネゲイドを扱うことができずそのまま昏倒させられてしまった。
そして目を覚ました貴方は、自分が噂の「トゥルー・ミラージュ」に誘拐され、
オーヴァード達が暮らす集落へと連れ去られたのだと知る──